フィルムのラミネート加工とは?ラミネート加工の種類を紹介

機能性フィルムの表面保護や粘着層付与などに不可欠なラミネート加工は、フィルム加工においてもその重要性を増しています。本コラムでは、フィルムのラミネート加工の種類、そして代表的に使用される材料について記載します。

ラミネート加工とは?

フィルムのラミネート加工とは、機能性を表面に付与された高機能フィルムなどのフィルム表面に、保護フィルムや粘着フィルムを貼り付ける加工です。
身近な「ラミネート」というワードですと、こちらのイラストのようなラミネート表示を思い浮かべる方も多いかもしれません。
こちらは熱でフィルムを溶着してラミネートするヒートラミネート方式です。
このような身近なラミネート以外にも、ディスプレイなどに使用されている工業用ラミネート加工について今回はご紹介したいと思います。

ラミネート加工の主な役割

(1)機能性向上

異なる種類のフィルムやシートを貼り合わせることで、それぞれの素材が持つ機能を複合させ、より高度な機能を持つ光学材料を作り出すことができます。例えば、ディスプレイ用光学フィルムの場合、耐久性や表示品質の向上が図られます。

(2)さまざまな組み合わせへの対応

ロール状の素材を使用することで、「ロール+ロール」や「シート+ロール」など、多様な組み合わせ形態でラミネート加工が可能です。これにより、試作から量産まで幅広いニーズに対応し、異素材の複合化も実現します。

(3)生産性向上と安定性

連続的に素材を供給できるロールでの加工は、生産効率を高め、大量生産に適しています。材料特性や厚みムラまで把握し、高い密着性、均一性、生産安定性を実現します。

(4)表面処理による高性能化

表面処理をインラインで組み合わせることで、強力な密着力を実現するなど、特定の機能を強化する特殊加工が可能です。また、接着剤を使用するドライラミネートや、加熱溶融を利用するサーマルラミネート、樹脂溶融塗布加工など、素材や求める機能に応じた加工方法を選択できます。

(5)スリット加工の組み合わせ

ラミネート加工と同時にスリット加工を用いることで、必要な部分だけに貼り合わせたり、必要な長さで止めたりする柔軟な加工が可能となり、これまでにない効率改善が期待できます。

工業用ラミネート加工の種類

(1)押し出しラミネート

高温で溶かした樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)を素材の間に流し込み、基材を貼り合わせる方法です。高速加工で安価に製造でき、溶剤不使用で環境負荷低減できる優位性があります。
用途は、食品包装(レトルトパウチなど)、紙のラミネートなどに使用されています。

(2)ドライラミネート

接着剤を素材に塗布し、半乾きにさせた後に圧力をかけてラミネートする方法です。プラスチックフィルム、アルミ箔など多様な素材に適用可能です。
用途は、食品包装(スナック菓子、チョコレートなど)、医療用包材など耐熱性や耐薬品性が求められる包材などに使用されています。

(3)OCA(Optical Clear Adhesive:光学透明接着剤)ラミネート

特に光学材料向けに透明高品質な粘着フィルムを使用してラミネート加工する方法です。透過率が高い粘着層でディスプレイやガラスの隙間を充填し、界面反射を少なくさせることで、視認性を向上させます。
用途は、電子材料や光学材料(TV、スマートフォンなど)に使用されています。

(4)熱ラミネート

接着剤を使用せず、素材自体(ポリエチレン、ウレタンフィルムなど)を加熱・融解させてラミネートする方法です。冒頭部分でご紹介した家庭用のラミネーターもこの方式で、その工業版になります。溶剤を使用しないので、比較的安価で、残留溶剤の心配がない事が特徴です。
用途は、ラベル表示やパウチシートなど、なじみのある商品が多いと思います。

まとめ:最適なラミネート加工を選択するために

フィルムのラミネート加工は、単に印刷物を保護するだけでなく、その価値を高め、用途を広げる重要な技術です。ホットラミネート加工は高い強度と耐久性を、コールドラミネート加工は熱に弱い素材への適用と柔軟性を提供します。また、グロスやマットといった質感の違い、UVカット機能といった特殊な機能を持つフィルムを使い分けることで、あらゆるニーズに対応できます。

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