水蒸気バリア性とは、フィルムやシートなどの材料が水蒸気の透過をどの程度阻止できるかを示す性能指標です。一般に水蒸気透過度(WVTR:Water Vapor Transmission Rate)として定量評価され、単位面積・単位時間あたりに透過する水蒸気量( g/m²・day )で表されます。食品・医薬品の包装材料では内容物の吸湿・乾燥を防ぎ品質保持期間を延長する目的、また有機ELや薄膜太陽電池などの電子デバイス分野では水分による素子劣化を抑えるため、高いバリア性 が要求されます。バリア性能はフィルム基材の分子構造や結晶化度に加え、蒸着層やコーティング層の緻密さ、多層構成における各層の界面密着性によって大きく左右されます。規格としては JIS K 7129 や ASTM F1249 などの標準試験法に基づく精密測定を行い、用途ごとに求められるバリアレベルを設計・管理することが不可欠です。なお、厚さあたりの水蒸気透過性を表す透過率( permeability coefficient)や、材料の厚さで規格化した透過性指標など、目的に応じた指標の選択も重要です。
弊社では、塗工およびラミネート加工を中核に、お客様が定めた仕様(目標WVTR、基材・コーティング材料、構成など)に基づく試作・量産対応を行います。塗工工程では、所望の膜厚・均一性を満たす条件出しと欠陥低減により、バリアコーティング層を高精度に形成します。ラミネート工程では、指定された機能性フィルムや接着剤を用い、界面密着性を確保した多層構成を安定に実現します。さらに、JIS K 7129/ASTM F1249等の標準試験法に準拠したWVTR評価(社内設備または連携機関での測定手配を含む)、用途条件(温度・湿度)に合わせた妥当性確認、試作から量産へのスケールアップ、品質管理指標の設定まで、加工面と評価面から水蒸気バリア性能の確保を支援します。